なんと、ここまで書いたブログ記事が消えた
このブログの筆者・堀は、「自己紹介」に書いたように、様々な立場を経験してきました。現場の活動から、セクターを越えた協働、行政職員として地域の環境教育の仕組みづくりなどを手がけ、それらの経験をもとに、ちょっと変わった視点から、環境情報を発信してきました。
なのに、今まで書き溜めたプログ記事が消えてしまいました。原因は、堀がプロバイダーに費用の振込を忘れていたこと。警告のメールは来ていましたが、「払った」と思い込んでいました。仕方がないので、ぼちぼちと再開していきます。
環境問題への関心と行動の後退がはっきりと…
さてさて、環境省発行の今年度の「環境白書(正式名称は、環境・循環、生物多様性白書)」に刺激的な表が掲載されていました。環境省と内閣府が実施した「環境問題に関する世論調査」をまとめたもので、平成19年から平成27年まで(2007〜2015年)の8年間(平成24年は未実施)のアンケート結果が示されています。
それによると、「ごみ問題に関心がある」は、平成19年の85.9%からほぼ一貫して毎年減り続け、平成27年の70.3%へと8年で15%も減ってい ます。意識や関心だけでなく、「ごみの問題は深刻だと思いながらも、多くのものを買い、多くのものを捨てている」は、同期間7.0%から12.7%へと増 加。「環境にやさしい製品の購入を全く心掛けていない」は、11.0%から15.6%に増加するなど、狭い意味の「ごみ問題」にとどまらず、環境問題全般 への意識の低下や行動の後退が感じられます。
3Rという言葉は知っている。意味も、優先順位も
しかし、「3Rという言葉を知っている」は、22.1%から35.8%へと向上しています。ここまで紹介した4項目を折れ線グラフにしました。グラフの上から2本目の線(3Rという言葉の意味,優先順位を知っている)を見ていただくと、平成23年の41.7%をピークに、ゆるやかに下降していますが、それでも調査が始まった平成19年と比べ、平成27年は1.5倍以上に高くなっているのがおわかりいただけると思います。3,000人を対象にした無作為抽出アンケートですので、環境教育を受けた世代が、各年度どの程度含まれているかわかりませんが、環境に関する知識は高くなっていることがわかります。
ということは、「知識は高まっているが、意識や行動は後退している」わけですね。う〜む、環境教育のどこかに、何か足りないものがあるわけです。
意外ではなかったこの数字
実はこの数字。意外ではありませんでした。例として紹介しますが、2013年度から2年間、堀は奈良県生駒市の職員として、環境基本計画の推進や環境教育の推進に携わっていました。以下で紹介するのは。その時の経験です。
市内の小学4年生が清掃工場に見学に行くことになっていました。ひと通り見学した後、堀が「かんきょうの先生」として、「3R」をテーマに15分程度のミニレクチャーをしていました。4年生全クラス(3〜4クラス)100人前後の子どもたちを前に「3Rって知ってる?」と尋ねると、「知ってる!」と幾つもの大きな声が返ってきます。声をあげた子どもにマイクを向けると「リデュース、リユース、リサイクル」と返ってきます。「よく知っているやん。ところで、この3Rには『優先順位』ってあるんやけど、知ってるか?」と再度尋ねると、ちゃんと優先順位も答えることができます。「どうしてこの順番なの?」と尋ねても、「ごみはもともと出さない方がいい!」と完璧な返答。「他の皆もそう思うの?」と尋ねても、「そうやで〜」の声。
圧倒的な支持を得たのは…
続けて、「では、今から3人の子どもを紹介するし、どの子を見習いたいか、後で教えてね」と、ひたすらリサイクルに取り組んでいる『理佐いくる君』、缶やペットボトル飲料をあまり飲まない『甘利のまんちゃん』、何事も気にしない『木庭千ちゃん』を紹介しました。(図を見てください。)
紹介の後、どの子を見習いたいか尋ねて、返ってきた答えは、圧倒的に理佐君支持。「ごみは元から減らさないといけない」と言った子も、理佐君支持。数校で実施し、多少の前後はあっても、どの学校の生徒らも、9割以上の支持が理佐君に集まりました。
「どうして理佐君を見習いたいの?」と尋ねると、「リサイクルをがんばっているし…」との答えが返ってきました。3Rとその優先順位について、頭では、というか、言葉としては理解していても、どのような行動が、リデュースやリユースなのか、体験を通じた理解をしていないわけです。(つづく)