グラフは語る その1「食品ロスのもと」

昔作ったグラフを引っ張り出すと、おもしろいことがわかる

3月も後半になり、春らしい日が増えてきました。再開ブログを続けていきます。
ただ、どうも堀のブログは一つの投稿が論文みたいに長ったらしいものが多く、今後はコンパクトに、かつシリーズ化して(ネタが尽きるまで)継続発信していきたいと思います。題して「グラフは語る」。堀の特技は難しい論文やデータをわかりやすく伝えることができること。
堀は四半世紀以上前からエクセルでグラフを作っています。何度もパソコンのクラッシュに出会い、かろうじて残った昔作ったグラフを引っ張り出すと、おもしろいことがわかります。

 食品ロスの削減が大きな社会課題に

「グラフは語る」の第1回のテーマとして「食品ロスのもと」を掲げました。最近、「食べられるのに捨てられる食品ごみ=食品ロス」の削減が大きな社会課題として注目されています。
食品ロスを大量に出すことがよくないことは誰でもわかります。一方、「食料なんて海外から大量に輸入できる」と思っている人も多くいることでしょう。そんな呑気なことが言っていられない状況をお伝えしたいと思います。

グラフに語ってもらいましょう

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図1は2000年の食料純輸入額の比較。純輸入額とは輸入額から輸出額を引いた金額。食料輸入が多くても、輸出も多ければ純輸入額は大きくなりません。

一目瞭然、日本は世界最大の食料純輸入国でした。輸出はごくわずかで輸入ばかり。2位以下はその年の天候などにより順位が入れ替わりますが、日本は長きにわたり不動の1位(おそらく1970年代後半から)。しかも2位以下を大きく引き離していました。

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図2は2005年のおもな国の食料純輸入額と純輸出額を示しています。まだ日本は1位。しかし2位、3位との差が小さくなっています。

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そして図3。2015年には1位が入れ替わっています。2011年から2012年に1位の交代がありました。新チャンピオンは中国。ただよく見ると、2005年と比べて日本の食料純輸入額はほとんど減っていません。中国の伸長が著しいのです。
日本のGDPが中国に抜かれたのは2008年。以降GDPの差は開くばかりです。両国の食料純輸入額の差も今後拡大していくでしょう。なにせ日本の10倍以上の人を食べさせないといけないうえ、長く続けてきた一人っ子政策で農業の担い手は今後急速に減っていくでしょうし。

いつまでも食品ロスなんて出していられない!

気候変動などで世界の食料生産が不安定になっていく中、日本以上に食料を必要とする国が現れ、経済力でも日本以上に伸長しています。日本の状況を振り返ると、いつまでも食品ロスなんて出していられません。ひょっとしたら海外から食料を買うこと自体難しくなるかもしれないのですから…。

やっぱり長文になりました、、、。

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