第9話 京都で「リーフ茶の普及で、ペットボトルを減らそうキャンペーン」を進めます。

「ペットボトルを減らそう」なんて、とても珍しい活動

私が勤めている京都市ごみ減量推進会議では、今年度「リーフ茶の普及で、ペットボトルを減らそうキャンペーン」を進めます。リーフ茶というのは茶葉から淹れたお茶のこと。行政が関わる団体で、明確に「ペットボトルを減らそう」を掲げ、実際の活動を展開するのは、全国でも非常に珍しいと思います。
まだ準備段階で、実際の事業は別途お伝えしますが、なぜこのようなことをしようとしているのか、まずは背景情報をお伝えします。

(この投稿の後,「リーフ茶の普及で、ペットボトルを減らそうキャンペーン」サイトを公開しました。どうぞご覧ください。)

緑茶の消費が大きく減り、ペットボトル茶しか知らない人も

背景情報として、近年緑茶の消費が大きく減っていること。ペットボトル緑茶が増え、お茶の淹れ方を知らない。ペットボトル茶しか知らない、そんな人が増えたことなどがあります。後には多くの空き容器が発生し…。リサイクルするにしても多くのコストと労力が必要になります。
まず緑茶の消費が如何に減っているか、下の図を見ていただきましょう。
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最近10年で30%も減っている

上のグラフには、缶入りやペットボトル緑茶用の茶葉も含まれています(荒茶ベース)。缶入りやペットボトルなどの「緑茶飲料」が増え、茶葉の消費は1990年代後半からじわじわ増えますが、2004年をピークに、その後はほぼ一直線に下がっています。最近10年では30%も減っているのです。
2011年には福島原発の事故で一部茶産地の放射能汚染が取りざたされましたが、それ以前から下り基調が続いています。

減っている内訳をみると

さて、減っている内訳をみましょう。ほぼ同期間の「緑茶飲料」の増減をみると、最近10年、「緑茶飲料」は若干減っていますが、ほぼ横ばい。ということは、減っているのは「緑茶飲料」以外のもの。リーフ茶やティーバッグということなります。「緑茶飲料」はペットボトルだけでなく、缶、紙パックなども含みますが、2015年の「緑茶飲料」の内訳(容量ベース)は95.5%がペットボトルが占めます。「緑茶飲料」のほとんどが「ペットボトル緑茶」なのです。
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ペットボトル緑茶が伸びても、安い茶葉しか売れない

もうひとつ注目してもらいたいのは、1996年から2005年にかけての10年で、5.5倍に増えていること。1996年というのは、500ml以下の小型ペットボトルを国内飲料メーカーが使い出した年。それ以降、ものすごい勢いで増えていきました。
商売ですので、商品が売れるのは良いことだと思いますが、ペットボトル緑茶が広まり、お茶を淹れたことがない人も増えてきました。売れる商品はペットボトル緑茶に偏りつつあります。となると、安い茶葉しか売れず、茶農家にすれば、丹精込めた茶葉が売れにくくなり、経営が難しくなります。そしてその先は…
いやいや、悪い方向に進むのを予想するのはやめましょう。茶葉から淹れたお茶のおいしさ、味の深さ、香り、文化や地域経済を支えてきたことなど、多くの人に知ってもらう活動を進めて行くことにします。

 

ひとつエピソードを紹介しますと…

京都市ごみ減には、大手スーパーマーケットさんも役員として参加しています。先日開催された常任理事会で、その役員さんが「この活動をどんどん進めてほしい」とおっしゃいました。「ペットボトルを減らそうなんて、何事か」とおしかりを受けるかと思いきや。「良質な茶葉が売れて、急須や湯呑みが売れた方がいい」。「ペットボトルが多く売れると、店頭の空き容器のリサイクル回収箱がすぐに一杯になり、この夏はどの店も悲鳴をあげていた」とのことでした。なるほど、そんなことがあったのですね。スーパーマーケットさんの応援は、とても心強いです。

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