第34話 2017年度京都市内の大学での環境学習の成果

2017年度、5大学8クラスで講義

2017年4月から12月にかけて、京都市内の5大学8クラスにゲスト講師として招いていただき、京都市ごみ減量推進会議が推進している「リーフ茶の普及で、ペットボトルを減らそうキャンペーン」の発信内容をもとにした講義をする機会を得ました(参加952名)。
実施校および講座概要は表1の通りで,それぞれ1回の講義を担当しました。対象の学生および講座は「環境系」とは限りません。講義の成果の詳細は、京都市ごみ減量推進会議の下記WEBサイトで報告していますが、特徴的な成果だけ、本ブログで報告します。
「リーフ茶の普及で…」大学生向け環境教育プログラム 平成29年度実施報告


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講義の概要 ごみ・暮らし・経済を話題に

講義では、与えられた時間の中で、これまでに本ブログでも伝えているペットボトルリサイクルの問題点や、近年ペットボトル緑茶の増加の一方で、リーフ茶(茶葉から淹れた茶)の利用が急減していることなど伝えました。身近な代替手段であるリーフ茶の利用が、環境負荷だけでなく財布の負担軽減や、文化、地場産業の維持・発展の貢献にもなることなどを伝え、あわせて、1985年に最初の缶入り緑茶が販売されてからの企業による「需要創造」と、それとどのように向き合うか「消費者自身の選択」も話題にしました。

講義前のアンケート、「よく利用する」が4割

講義を始める前に、受講者にアンケートの一部を記入してもらいました。「ふだんのペットボトル飲料(緑茶飲料に限らず)の利用は?」という問いに、「よく利用する(1日1本以上、500mlボトル換算)」「時々利用する(数日に1本)」「ほとんど利用しない」の3択で答えてもらいました。
結果は図1の通り、「よく利用する」が約4割で、「時々利用する」と合わせて9割近くになり、現在の学生の実態がよく表われていると思います。


jukou-mae図1 受講前アンケートの結果(回答718人)

講義後のアンケートでは「よく利用する」が1割以下に

講義の終了後、「今後のペットボトル飲料の利用は?」について尋ねました。決してペットボトル飲料の不買運動ではなく、「利用をやめよう」などのメッセージは発していませんが、「これまで通り(多く)利用する」は1割以下になり、8割近くの学生が「少し減らす工夫をしてみようと思う」と答えました。(図2)
学生たちにとっては、生まれた時から当り前のものとして存在し、軽くて割れず、持ち運びに便利で、手軽に買えるペットボトル飲料ですが、暮らしのあり方を見直すきっかけを多くの学生に与えることができたと思います。


jukou-go図2 受講後アンケートの結果(回答584人)

6週間後のフォローアンケートの結果

ただし、ゲスト講師は一度しか学生たちに関わることができず、講義の成果が持続しているのか、なかなかわかりません。8クラスのうち1クラスで、講義の6週間後にフォローアンケートを実施しました。
フォローアンケートの実施日は最終講義のため、「リーフ茶で…」の講義日より出席者が多く、こちらのメッセージ等を受けていない学生が記入したアンケートも相当数入っていたと思われます。それでも「特に減らそうとしていないし、よく利用する」が約25%と、図1の39.3%から3分の1以上減っています。何より「少し減らすよう意識するようになった」と答えた学生がほぼ半数あり、6週間後ではありますが効果が続いていることがわかりました。(図3)

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図3 6週間後のフォローアンケートの結果(回答173人)

大学生向けの環境教育でも効果を得ることができる

幼児や小学・中学年までを対象にした環境教育プログラムには、すぐれたものが数多く生まれています。しかし大学生向けのごみ・暮らし・経済をテーマに扱った環境教育プログラムで、実際の効果(暮らし方への影響)を示したものは、まだまだ少ないと思います。
1年間、多くの先生方の理解と支援で、プログラムを実施することができました。まだまだ改善の余地はありますが、20歳前後の学生たちの消費行動に影響を与えることができるプログラムの開発と実施が可能であることを示せたかと思います。

※ 京都産業大学経営学部宮永健太郎准教授のご協力を得て実施しました。

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