グラフは語る その4 ペットボトル飲料の消費を押し上げているもの

前回、清涼飲料の容器として、ペットボトルが大きく増えたことをグラフで示しました。もちろん、「増えたこと」そのものが問題ではありません。消費者が支持する商品が多いからこそ、増えたわけですから。しかし、短期間に急激に増えたことで発生している問題もあります。例えば、以下の2点などがあります。

■空き容器の散乱と、啓発を含めた清掃費用の増大。
■空き容器の増加によるリサイクル費用の増大と負担のあり方。

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清涼飲料の中でも何が増えたのか見ていくと、ごみ問題や環境問題以外の面が見えてきます。今回のグラフは、過去20年間の清涼飲料の種類別の増減を表したものです。この中で青い太い線と緑の太い線がグラフの左下から右上へと伸びていることがわかります。青い太い線はミネラルウォーター類、緑の太い線は緑茶飲料で、それぞれ20年間に5倍以上に増えています。緑茶飲料は液体で売られている緑茶のことで、缶入りや紙パックもありますが、2017年現在96.5%がペットボトルで売られていました。ミネラルウォーター類も92%がペットボトルで売られていました。

つまりミネラルウォーター類も、緑茶飲料もほとんどがペットボトルで売られていて、前回のグラフが示すように、飲料用ペットボトルの消費を押し上げたのは、主にこの2種だといえます。ただし、水と緑茶はペットボトル飲料でなければ入手できないものではありません。増えるものがあれば減ったものもあります。何がどれほど減ったか見ていくと、ごみ問題や環境問題以外に、どのような問題が起きているか見えてきます。

ただし、「ペットボトル飲料であっても、緑茶を選ぶ人が増えているので茶農家は潤っているはず。」という考えもあると思います。次回は、「ペットボトル緑茶の増加は、茶農家・茶産業の発展に寄与しているか」の疑問に答えるグラフをお示しします。そこから、ペットボトル緑茶が増えることで、ごみ問題や環境問題以外に、どのような問題が起きているか見えてきます。

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