グラフは語るその6 海外向けペットボトルはどこに行くの?

今回は2017年の中国の廃プラ禁輸に伴う、日本からの廃プラ輸出先の変化を見てみましょう。
日本国内で回収されたPETボトル(以下、ペットボトル)を含むプラスチックは、国内でリサイクルされるだけでなく、多くが海外に「輸出」されています。

グラフ1は、2017年に日本国内で回収されたペットボトルが、国内と海外のどちらでリサイクルされたかを表しています。青い部分は国内でリサイクル、赤の部分は海外でリサイクルされた割合を表しています。これをみると回収されたペットボトルの4割・20万トンが海外に「輸出」されていたことがわかります。
海外輸出されていたペットボトルのほとんどが、自販機横やスーパー店頭の回収箱で集められたもので、市町村が住民から分別回収しているペットボトルの大半は国内でリサイクルされています。

国内外リサイクル内訳2017
グラフ1

さて、輸出先としては、2017年まで中国が圧倒的に多かったのですが、2017年7月、中国政府はその年の年末をもって外国からの廃プラ(ペットボトルを含む)、古紙、廃家電の輸入を停止する旨宣言しました。2018年以降、行き場を失った廃プラが日本国内各地の倉庫等を埋める事態となり、様々なメディアが大きく取り上げました。そのため2019年5月20日には、環境省が全国の市町村に、産廃プラごみの受付と焼却処理を要請するまでになりました。

グラフ2は、財務省貿易統計をもとに、2015年から2019年(4月まで)の使用済みの廃ぺットボトル(フレーク状)の輸出先を表したものです(各年1月から12月までのデータです)。

2015年から2017年まで中国(香港を含む)が圧倒的に大きな割合を占めていました。2018年以降は、中国の禁輸措置の影響が見られます。
ペットボトル海外輸出(2015-2019)
グラフ2

では、2018年以降、日本からの廃ペットボトルは、中国以外のどこの国・地域に「輸出」されているのでしょうか。表は、グラフ2と同期間の国・地域ごとの輸出量を表しています。2018年に輸出先が一気に増えます。中国にかわって、マレーシア、韓国、ベトナム、タイ、台湾、インドネシア、バングラデシュ、インド、ミャンマーなど、アジア各国に輸出先が拡散しました。意外だったのは、アメリカをはじめヨーロッパ諸国にも輸出されていたことです。
日本からのPETフレークの輸出先(2015-2019)

ただ、2018年以降拡散したアジアの輸出先の多くが、プラごみの海洋流出が多いとされている国・地域です。国内でリサイクルしきれないほど消費を増やし、中国がダメなら別の国に輸出すればいい、でいいのでしょうか。アジアの国々の中には、海外から押し寄せる大量の廃プラに根をあげ、中国と同様に禁輸を検討しているところもあります。

手軽・便利な存在として増え続けたペットボトル(ほとんどが清涼飲料)ですが、本気で「減らす」ことに取り組む必要があると思います。

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