2017年末の中国政府による、海外からの廃プラ、廃家電、古紙の輸入禁止処置により、日本のリサイクル市場が混乱したことは、様々な報道等でご存知のことと思います。
2017年まで、日本国内で回収された使用済みプラスチックのうち、150万トン前後が海外に輸出されていました。その大半が中国向けだったため、行き場を失った廃プラが国内各所に滞留し、新たな輸出先とされたタイやマレーシア、フィリピンなどには、日本をはじめ先進国から大量の廃プラが押し寄せ、現地の政府や国民から反発の声があがるなどのことがありました。
そのような中、PETボトルに関してはどうだったでしょうか。
PETボトルリサイクル推進協議会の方とお話ししたところ、「日本の使用済みPETボトルは、海外での需要も高く、今後の需要はむしろ高まる」とおっしゃっていました。実際、2018年度の海外向け輸出量は、ほぼ例年通りの19万5千万トンでした。
たしかに「需要がある」「海外で売れる」としても、毎年20万トン、国内販売量の3割、回収量の4割近くが海外でリサイクルされている傾向は変わっていません。国内の再生品需要をはるかに超えた消費量の大きさを、見直す必要があるのではないでしょうか。
下の絵は、環境まんがで環境啓発を行なっているハイムーン氏が描く「大リサイクル社会」と「元栓を閉める方が早道では」。