グラフは語る26 いつからプラごみ輸出は盛んになったか

1988年以降のプラごみ輸出データ

自分で言うのも変ですが、今回のグラフは労作です。財務省貿易統計から1988年以降のデータを入手し、2019年まで約30年間のプラスチックごみ輸出データをまとめました。
何が大変かって、品目も国名も全てコードで、単位も2種類あり、量と金額が同じ表に書き込まれています。そこから必要なデータを抜き出すのに時間がかかりました。そんなことはともかく、まずは1つ目のグラフ(図1)をご覧ください。


図1 日本からのプラスチックくず輸出の推移

2000年頃からプラごみ輸出が拡大

図1を見ていただくと、リサイクルの仕組みが整い、機能し始めた頃から海外へのブラごみ輸出が拡大していることがわかります。容器包装リサイクル法(容リ法)は家庭から出るごみを対象にしていて、市町村が地域住民から分別収集した廃プラやPETボトルは国内リサイクルを原則にしています。
ただ、事業所や工場なども含めて、国内のリサイクル能力以上にプラスチックが消費され、多くの廃プラが集められ、2005年以降、最近まで毎年100万トン以上が海外に輸出されていました。

プラごみ排出量と海外輸出量のミックスグラフ

「グラフは語る16 近年プラごみが急増した国はどこ?」に、国内で発生するプラスチックごみの推移を示したグラフを掲載しました。そのグラフと図1を重ねました(図2)。棒グラフと折れ線グラフで単位が違うのでご注意ください。両者の増え方のカーブにご注目ください。日本では1960年代からプラスチックを多く使ってきましたが、1980年から2000年までの20年間だけでも、プラごみの排出量は3倍に増えました。ところが、プラごみ輸出が拡大するのは、排出の増加が落ち着いてからです。
排出の拡大が落ち着いた後、国内のリサイクル体制を整えることより、海外輸出に頼ってきた姿が図2から見えます。そして、最大の輸出先だった中国が輸入規制するとリサイクル市場が大混乱に陥りました。その後、マレーシアなとが新たな輸出先になっていますが、いつまで受け入れてくれるのか…。

図2 プラごみ排出量と海外輸出量

情報がないままの環境活動、環境教育だったのでは

今回図2のグラフを作ってみて、私自身、排出の増加と海外輸出の増加に10数年のタイムラグがあることに気付きました。「リサイクル」はたしかに大切です。ただ、どのようなリサイクルが、どこで行われているか、情報は大切です。
ともあれ、「リサイクルは地球にやさしい」なんて美しい言葉の影で、使用済みプラスチックを「資源」と称して海外に輸出することが常態化していました。今後、コロナ後の社会では海外の人たちも感染症に敏感になるはずです。いつまで廃プラスチックの輸出を続けることができるのか考え直す必要があると思います。世の中、SDG’sが大流行りですが、環境活動も環境教育も、「もっと尖らなきゃ」と思います。自戒を込めて。

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