立命館大学「現代環境論」での講義感想
第17話「5年ぶりに立命館大学でゲスト講師」で、立命館大学産業社会学部「現代環境論」の木原浩貴講師担当授業に出講したことを紹介しました。合わせて、講義前と後で学生たちの反応がどのように変化したかについても紹介しました。
他にも、多くの受講学生から「講義感想」をもらいました。一部ですが紹介します。
講義の内容
講義のテーマは「ごみ 2Rをどう進めるか?」。前半は、ごみの区分や発生量など基本的な話をし、後半は、ごみを減らすため取り組まれている様々な活動について、取り組んでいる人たちの思いも含めて紹介しました。
その中で、京都市ごみ減量推進会議が取り組んでいる「「リーフ茶の普及で、ペットボトルを減らそうキャンペーン」」を取り上げ、リーフ茶(茶葉から淹れる茶)の利用が大きく減っている現状や、ペットボトル緑茶しか知らない人が増えていること、ペットボトルの増加とペットボトルリサイクルの問題などについて紹介しました。
あわせて、ペットボトル緑茶の増加を例に、企業による新たな需要の創造と消費者ニーズの関係について考えてもらいました。
「講義感想」10選
- ペットボトルを減らすこと自体に、言葉以上に意味があるように感じた。消費によって起こる廃棄の問題を考えることで、経済も助かることの具体性が伝わってきてためになりました。
- 正直、普段環境問題を深くまで考える機会は無いので、今日のお話は刺激になりました。今までで一番環境問題に関心を持った日でした。とても面白かったです。ありがとうございました。
- 講義の後半にあった「消費者ニーズから大量生産が生まれるというより、需要創造から大量に生産が生まれる」ということにとても興味をもちました。Amazonの例から意味を理解でき、無駄なごみが生まれ、創り出された消費者ニーズが多くあることを感じました。
- 普段、環境やペットボトルについての現状を学ぶ機会がなかったので、勉強になることばかりでした。私もペットボトルは使わないと心掛けていますが、時々ペットボトルの便利さに負けてしまうことがあるので、気をつけていきたいと思いました。
- リサイクルしなければ、と思い分別していたが、リサイクルが追いついていない、燃やすごみよりお金がかかるなど問題も多いと知った。ペットボトルにおいては海外にリサイクルを頼っていると知り、海外が受け入れてくれなくなると行き場を失ってしまう。消費者が行動を改め、リーフ茶を実践することが問題を少しでも減らせると思った。
- 普段から言われているようで意識したことのない「環境問題」をあらゆる面から考えることができました。
- 便利になることや問題を解決することは大切だけど、それによって迷惑や負担がかかるかもしれないことを学んだ。色々考慮しつつ環境を変えていく難しさを知りました。
- リサイクルは良い面ばかりが強調され、自分自身もリサイクルは環境のために良いんだと思っていました。しかし、その裏で放置されているペットボトルや、海外に頼ったリサイクルの問題などマイナス面が多くあることに驚きました。お話を聞くことができて良かったです。ありがとうございます。
- ごみ問題が様々な問題と絡み合っているということは知っていましたが、まさかここまで広く深く結びついているとは思いませんでした。
人は自分の負担が増えると分かると「しんどい」「めんどくさい」といったネガティブな発想をしがちですが、長い目で広い視野で将来を自分の未来と見据えれば、もっと活発な活動が展開できるのではないか思いました。その手法しっかり見て学んでいきたいです。
- お茶ひとつとっても、環境のことを考えると、こんなに多くの考え方がでてきて驚いた。
おまけ
講義の最後に、ごみ問題を考える際、出たごみの処理ではなく、モノやサービスの購入時に、何を選び、どのように使うか、生き方の問題と深いつながりがあることを説きました。
当日着ていったジャケットはパタゴニア製のフリースジャケット。購入してから何年着ていると思うか、学生らに尋ねました。5年、10年、15年と尋ね、徐々に上がる手が減っていきました。答えは16年。2001年に購入して以来、今も現役で活用しています。
購入時、ファストファッションブランドのフリースジャケットの8倍の価格に、正直迷い迷っての選択でした。店員さんに商品を渡すと、何点か痛みやすい箇所をさして、「もし修理が必要になったら直しますので持ってきてください」と2回言ってくれました。「この服は守ってくれる人がいる」といったプライスレスの価値を感じて愛用し続けることができました。
結果、一度袖口を修理しましたが16年経ってもほとんど色あせずに使い続けています。決して、ボロボロになっても着続けているのではなく、購入時に長く愛着を持って活用できるもの、そのため耐久性や修理の体制などを考慮して選ぶという視点を持ってほしいことを伝えました。学生時代に、服、靴、バッグ、文具、何でもいいので、社会人になっても使い続けられるモノと出会ってほしいことなどを伝えて講義を終えました。(了)