今さらですが2018年を振り返ると
2017年末中国の廃プラ輸入禁止で、翌2018年、日本をはじめ中国に大量に廃プラを「輸出」していた国では、リサイクル市場が混乱しました。
で、今さらですが、2018年度に日本国内から排出した廃プラは、前年と比べて増えたか、減ったか、何がどのように増減したか、見てみましょう。
全体では減ったけど
「国内排出プラごみの内訳1」を見てください。
2017年度、日本国内から排出したプラごみは、全体で903万トンでしたが、2018年度は891万トンになり、全体では、約12万トン減りました。1.3%の減少です。
でも、よく見ると、減っているのは産業廃棄物からの排出プラごみ。おもに家庭から排出された一般廃棄物からの排出プラごみは増えています。
用途で見ていくと
「国内排出プラごみの内訳2」を見てください。こちらは用途別の排出量をあらわしています。
生産ロスや輸送用プラごみは10%以上減っていますが、一方、容器包装プラごみや家庭用品のプラごみは増えています。 家庭用品には衣料品や文具、家具などが含まれます。フリース、下着など衣料品の多くがプラスチックで作られています。文具もクリアファイルをはじめ、プラスチック製品があふれています。そして気になるビニール傘。使い捨て傘と呼ぶべきでしょうか。他、靴、玩具などがこのカテゴリーに含まれます。
消費者の近くから出たプラごみが増えている
容器包装プラごみや家庭用品プラごみは、家庭からの排出だけとは限りません。店舗等で発生した容器包装や、家庭用品でも売れ残り品や返品など店舗から発生するものもあります。しかし、消費者の近くから排出したものであることに違いありません。
その中で容器包装プラごみは、全体の半分近くを占めます。もともと多いのですが、それがさらに増えています。家庭用品を含めて、何百万トンもの話ですので、なかなか実感するのは難しいのですが、私たちのまわりから減らしていけるものは多くあります。
データ出典 一般社団法人プラスチック循環利用協会プラスチックリサイクルの基礎知識2019
2018プラスチック製品の生産・廃棄・再資源化・処理処分の状況マテリアルフロー図より
http://www.pwmi.or.jp/data.php?p=panf 2020年1月18日確認
作図 堀 孝弘