2020年になりましたが、これまでに本ブログで公開したPETボトルや清涼飲料水に関するグラフを、2018年度データに更新していますので、掲示します。
データ出典はそれぞれのグラフに記載しています。
使いたいグラフがあれば、非営利団体かそれに近い活動をされている方には提供しますので、ご連絡をくださるようお願いします。
PET樹脂製ボトルの用途は
PETボトルの用途と消費の推移
PET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂で作られた容器が、何に使われたか、その生産量(消費を反映)がどのように推移したか示しています。
圧倒的に清涼飲料水が多いことがわかります。2018年度は88%が清涼飲料水の容器として用いられています。さらに注目していただきたいのは、清涼飲料水用のPETボトル生産に持ちられた樹脂の重量は、2017年度(606,065トン)から2018年度(652,908トン)にかけて、一年で8%増加したことです。
清涼飲料水の容器別生産量は?
PETボトルのほとんどが清涼飲料用に使われているわけですが、他の容器と増減を比べてみましょう。
上のグラフからPETボトルの一人勝ち状態がわかります。まっすぐ右肩上がり。20年ほどの期間で5倍に増えています、かつては放置容器の多さから「空き缶公害」などの言葉があった飲料用の缶は、同期間に半減しています。
清涼飲料の中身商品の増減をみると
では、清涼飲料の中で何が増えたのでしょうか。青い太線で示したミネラルウォーターと緑の太線で示した緑茶飲料が増えていることがおわかりいただけると思います。いずれも20年で5倍以上増えています。
ミネラルウォーターには輸入分を含みます。緑茶飲料は液体で販売されたもので、むぎ茶やはとむぎ茶、ブレンド茶などは含みません。これらは「その他茶系飲料」に含めています。他、ウーロン茶、紅茶もそれぞれ別のカテゴリーになっています。
「水」と「茶」の増加が、PETボトルの増加につながっている
このように見ていくと、「水」と「茶」の増加がPETボトルを増加させていることがわかります。この両者はPETボトルでなければ、入手できないものでなく、他の入手手段もあるため、少しの工夫で減らすことができます。
もちろん消費の増大は、企業努力や消費者の支持があってのことですが、増加の陰で何か問題が生まれていないか考える視点も必要です。例えば、ミネラルウォーターの中には、ヨーロッパや北米大陸から運ばれてくるものもあります。液体の長距離輸送はエネルギーの多消費にもつながります。他にも様々な問題がありますが、それらは次以降の機会に。
次回は、緑茶飲料と茶葉の生産を比較したグラフの2018年度版の掲示を予定しています。