第19話 新茶1キロ108万円って、景気のよい話ですが、茶業界全体が潤っているわけではない。

新茶初取り引き 1キロ108万円

2017年4月24日新茶初取り引き 1キロ108万円で最高値更新 静岡という景気のよいニュースが流れました。ネットニュースは数日後にはアクセスできなくなるので一部を引用します。
「初取り引きでは例年、摘み取りから仕上げまでの時間が短い機械製造の茶がほとんどですが、ことしは市場を盛り上げようと、JA富士宮の茶農家が手もみで仕上げた特別な茶の葉が出されました。この手もみの茶には1キロ当たり108万円の値がつき、初取り引きとして記録が残る昭和32年以降で最高値となりました。」

景気のよい話の背後は

特別な茶葉であったとしても景気のよい話です。1キロ当たり108万円といえば、湯呑み一杯分が数千円。そんな景気のよい話に水を差すわけではありませんが、国内の緑茶の消費量は近年大きく減っています。最近10年で30%減。(図1)

茶葉の生産が減っている

図1「緑茶の消費は最近10年で30%減っている」

減っているのは、茶葉から淹れるお茶(リーフ茶)

一方「緑茶飲料」は最近10年でほぼ横ばいです(図2)。緑茶飲料とは紙パックや缶、ペットボトルなどで販売されている緑茶。緑茶飲料のうち約96%は ペットボトル入り商品ですので、「緑茶飲料」のほとんどがペットボトル緑茶です。
先に示した図1には、「緑茶飲料」向けの茶葉も含んでいます。「緑茶飲料」の消費が減っていないとなると、減っているのは、茶葉から淹れるお茶(リーフ茶)。そんななか、ペットボトル緑茶の占める割合が年々高くなっています。

緑茶飲料は減っていない
図2「緑茶飲料」は最近10年でほぼ横ばい

リーフ茶の利用が増えなければ

1キロ108万円で売れるような茶葉は特別中の特別。こんな景気のいい話があると茶業界全体が潤っているように(一見)思えますが、全体としてはかなり厳しい状況です。
しかも「ペットボトル緑茶の占める割合が年々高くなる」ということは、生産者からみれば安い茶葉ばかりが売れるということ。ペットボトル緑茶ばかりが売れても茶業界全体は潤いません。そして後には大量の空き容器のごみが発生。(リサイクルの限界については別項で紹介します。)
やっぱり、茶葉からお茶を淹れることが当り前になり、リーフ茶の利用が増えなければ… (了)

京都市ごみ減量推進会議「リーフ茶の普及で、ペットボトルを減らそうキャンペーン」

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