グラフは語る18 ペットボトルごみを他のプラごみと比べると

ペットボトルごみ63万トンは、多い? たいしたことない?

 2018年度のペットボトル入り商品※1は、前年度に比べて販売量、リサイクル量ともに増えました。
 リサイクルされた分(約53万トン※2)を含めて、販売量(約62.6万トン=容器の重量※3)のほとんどが何らかの形でごみになったと思われます。この量は、日本全体のプラごみの排出量(891万トン)の約7%にあたります。
 果たしてこの7%=約62.6万トンが大きな数字なのか、たいしたことないのか、他のプラごみと比べてみました。

自動車と比べてペットボトル圧勝

 まず、自動車から出るプラスチックごみと比べてみます。(公財)自動車リサイクル促進センターの資料※4によれば、2018年度の自動車からのシュレッダーごみ(ASR)は59万トンでした。この中にプラスチックが含まれます。その割合について、リサイクル事業者の豊田通商(株)がまとめた資料※5によると、ASRの30〜40%がプラスチックとのことですので、40%だとすると約23.6万トンになります。
 この年、国内で解体された自動車は320万台でした。ここから出たプラスチックごみと比べて、ペットボトルが圧勝しました。

 

家電4品目、ペットボトルに完敗

 次は家電リサイクル法の対象になっているエアコン、テレビ、冷凍・冷蔵庫、洗濯・乾燥機の4種から出るプラスチックごみと比べます。
 (一財)家電製品協会の資料※6によると、「その他有価物」という区分が「プラスチックを中心とする有価物」とされています。仮に「その他有価物」のすべてがプラスチックだとすると約14.8万トン。2017年度の12.9万トンから2万トン近く増えています。
 国内で廃棄された1,360万台ものエアコン、テレビ、冷凍・冷蔵庫、洗濯・乾燥機から出たプラスチックごみにしても、やはりペットボトルの敵ではありませんでした。

健闘、建設プラごみ

 建設廃材から出たプラスチックごみは、2017年度の約62万トンから2018年度61万トンへと減少しています※7。この数字は建設リサイクル法のもとで再資源化(リサイクル)された分だけですので、ペットボトルのリサイクル分(約53万トン)と比べると、建設プラごみの方が多く、まさに貫禄勝ちとなりました。
 ただペットボトルはシングルユース(容器としては一度しか用いない)品ですので、前述のように販売量のほぼすべてが短期間でごみになります。なので、販売量62.6万トンと比べると、ペットボトルが形勢逆転します。

結論

 自動車も家電製品も膨大な量の廃車・廃棄品が発生します。ペットボトルは個々の容器は小さなものですが、年間244億本※8も消費されています。チリも積もれば山となる。トータルでみれば自動車や家電製品から出るプラごみを凌駕します。
 量の多さはそれだけ多くの消費者の支持を得ていることではありますが、少し頼りすぎたのではないでしょうか。日々の暮らしの中で、少し減らすことは、誰にでもできることです。

※1 清涼飲料、しょうゆ、酒類
※2 この中には、輸出され海外でリサイクルされた19.5万トンを含む」
※3 PETボトルリサイクル推進協議会WEB、統計資料、リサイクル率の算出
http://www.petbottle-rec.gr.jp/data/calculate.html
※4 自動車リサイクルデータブック2018、公益財団法人自動車リサイクル促進センター
※5 平成27年度低炭素型3R技術・システム実証事業 (ASRから材料リサイクルを図る仕組みづくり)報告書、豊田通商株式会社
https://www.env.go.jp/recycle/car/pdfs/h27_report01_mat05.pdf
※6 家電リサイクル年次報告書平成30年版、一般財団法人家電製品協会
https://www.aeha.or.jp/recycling_report/pdf/kadennenji30.pdf
※7 2018プラスチック製品の生産・廃棄・再資源化・処理処分の状況マテリアルフロー図、一般社団法人プラスチック循環利用協会
※8 PETボトルリサイクル推進協議会WEB、統計資料、リサイクルの軽量化
http://www.petbottle-rec.gr.jp/data/weight_saving.html
URLは、すべて2020年1月23日確認

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