京都でスーパーマーケット環境調査を実施3(野菜のプラ包装報告・後編)

前回、はだか売り比率を報告

前回の「野菜のプラ包装報告・前編」で、京都市内でスーパーマーケット62店で、10種類の青果物を対象に、はだか売りされている商品の割合を調べた結果を報告しました。
商品点数でみた場合は、17.6%商品棚の面積比では25.7%という試算値を報告しました。今回はチェーンによる違いをみたいと思います。

チェーンによる差は大きい

はだか売り比率をチェーンごとに算出し、グラフ化したのが下の図1です(チェーン名は伏せます)。横軸は商品棚の面積比、縦軸は商品点数の比率で、右上に行くほど包装が少なく、左下はプラ包装が多いことを表します。右上から左下まで、広く分布していることがわかります(黄色の帯の右横の数字は調査店舗数)。プラ包装が少ない店(チェーン)がある一方、全ての野菜をプラ包装している店(チェーン)もあります。

図1

事業規模でみると


図2

図2では、チェーンを事業規模別に色分けしました。黄色は年間売上1,000億円以上の全国的な大手チェーン。水色は500億円以上1,000億円未満で、京都府内の大手が占めています。以下、赤、青と規模が小さくなります。グラフ全体に色が分散しているように見えます。事業規模の大小と、はだか売りの関係はなさそうに見えます。図3で、もう少し状況を見てみましょう。

より詳しく状況をみると


図3

図3に書き込んだように、客層、事業規模、展開地域、店舗数などがほぼ重なるチェーン間で、野菜の包装が大きく異なっている場合がありました。それぞれ5店と3店を調査した平均での比較です。

プラ包装への思い込みもあるのでは?

高級系スーパーの中に、全ての野菜を自社ロゴ入りのプラスチックフィルムで包んで販売しているチェーンがありました。ですが、「持続可能な高級感」には思えません。発想の転換が必要ではないでしょうか。健康に配慮した食品展開に力を入れているスーパー間でも、野菜のプラ包装で大きな差がありました。
こういった違いを見ると、中には「しっかりプラ包装しなければお客さんは買ってくれない」と思い込んでいるスーパーチェーンもあるように思います。実際にそうなのか、他社の取組から見えてくるものもあると思います。
今回のような調査から、さまざまな好事例を見つけ出し、他社に伝えていくことで、地域全体の取組を高めてく一助になりたいと思います。

 

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