2020年度は過去2番目の下げ幅
2020年度に入り、しばらく更新を怠っていました。
ぼちぼちと新記事の掲載およびグラフ等、データ更新したものを掲載していきます。
さて、2020年以降、新型コロナウィルス感染症の影響で社会が一変しました。
清涼飲料水の消費*1にも影響が出ています。レジャー・行楽の自粛や飲食店の営業時間短縮などで、全体の消費量は前年度比で約5%(4.9%)減少しています(図1)。
この数字を大きいと考えるか、「そんなものか」と受け止めるか、人によってさまざまだと思います。過去60年間でみると、1979年から1980年にかけて9.8%減った時に次ぐ、過去2番目に大きな下げ幅でした。ただ、その当時と今では市場規模が違うので、量としては過去最大の減少でした。
図1 国内での清涼飲料水生産量
ミネラルウォーターが単独首位
一方、「巣ごもり需要によって、消費が増えたものもあるのでは?」という疑問もあると思います。商品群ごとに何が減って、何が増えたのか見ていきましょう(図2)。
ほとんどの商品群の消費が減っています。コーヒー飲料は街頭や行楽地での自販機需要の減少でしょうか。炭酸飲料の減少は飲食店の営業時間制限が影響していると思います。そのなかで、ミネラルウォーターの消費の伸びが目立ちます。昨年度(2019)に炭酸飲料を抜き、トップに躍り出たミネラルウォーターでしたが、2020年は前年比104%増で、単独首位の座を確かなものにしました。
図2 近年の清涼飲料水の生産量
ミネラルウォーターと緑茶飲料が全体の落ち込みを支える
ミネラルウォーターの他、緑茶飲料もほぼ横ばいです(99.97%)。ミネラルウォーターと緑茶飲料が全体の落ち込みを支えていたといえます。ちなみに2020年度はミネラルウォーターの92%、緑茶飲料の96.9%がペットボトルで販売されていました*2。このブログで何度もお伝えしているように、水や緑茶はボトル入り商品でなければ入手できないものではありません。
特に緑茶飲料(ほとんどがペットボトル商品)は、巣ごもりや在宅勤務の増加で、自分でお茶を淹れる時間も増えたことでしょうし、「ペットボトル緑茶の利用は減ったのではないか」と思っていただけに、とても意外でした。
(近日中に、緑茶茶葉と、緑茶飲料(ペットボトル茶)の生産推移の比較グラフを掲載します。こちらも結構ショッキングな情報をお伝えすることになります)
*1 図1および図2の出典 一般社団法人全国清涼飲料連合会「清涼飲料水統計2021」電子完全版
同統計は飲料メーカーから報告のあった生産量を掲載しています。本ブログでは、この生産量がほぼ消費量を反映しているとして紹介しています。
*2 上記統計より