使い捨てプラスチックの削減、世界はずっと先に!

フランスが環境政策を一気に推進

2015年のパリ協定採択以降、フランスは環境政策を一気に進めています。エネルギー転換、ESG投資、廃棄物減量など、それぞれ別々に取り組むのではなく、一体的に進め、EUのみならず世界の環境の取組をリードする存在になっています。
廃棄物の抑制についても、一定規模以上の飲食店からの食品廃棄の禁止、衣料品の売れ残り品廃棄禁止などが注目を集めました。少し遡って、2016年に小売店でのプラスチック製レジ袋配布の禁止(有料化ではない!)、2017年には、青果物はかり売り売り場でのプラスチック製袋の配布禁止などを事業者に求めています。
さらに2019年に制定された循環経済法には、日本で暮らす私たちにとって「ここまでやるか」と思うことが記載されています。

画:ハイムーン工房よりhttps://highmoonkobo.net

フランスの循環経済法の使い捨てプラスチック規制

以下、JETRO(日本貿易振興機構)の配信記事*1と、フランス政府公報*2を参考に、循環経済法の中から、使い捨てプラスチックの使用規制に関わる条項を抜き出してみました。

フランス循環経済法(廃棄物との闘いおよび循環経済に関する法律)のおもな内容
2019年7月10日閣議決定*3 2020年2月10日施行

第5条
2025年1月1日までに、プラスチックのリサイクル率100%を目標とする。
第7条
2040年までに、使い捨てのプラスチック包装の市場投入(上市)を禁止する。
第66条
2030年までに、フランスで上市される使い捨てプラスチック製飲料用ボトルの50%削減を目標とする。
2023年に、EUが加盟国に義務付けているプラスチックボトルのリサイクル率目標(2025年77%、2029年90%)に達しそうにないと政府が判断した場合、デポジット制度を導入する。
第72条
2021年から、レジの外に消費者が余分と思った包装を捨てるための分別回収箱を設置する。
第77条
2020年から、コップ、グラス、皿、軸がプラスチックの家庭用綿棒の禁止。
2021年から、ストロー、カトラリー(ナイフ・スプーン・フォークなど)、持ち帰り用グラスのふた、発泡ポリスチレンの容器(店内飲食用もしくは持ち帰り用)およびボトル、ステーキ用ピック、風船棒、プラスチック紙吹雪の禁止。
2021年から、使い捨てプラスチック袋の製造および輸入を禁止する。違反の場合、自然人は3,000ユーロ、法人1万5,000ユーロまでの罰金を科す。
2022年から、非生分解性プラスチックのティーバッグ、小売店での1.5キログラム未満の未加工の野菜・果物のプラスチック包装、ファストフード店のおまけで無料提供されるプラスチックおもちゃの禁止。
2023年から、ファストフードなど飲食店に対し、店内飲食用に再使用できるカップ、グラス、カトラリーの使用を義務付ける。
2022年から、公共施設に冷水機の設置を義務付ける。
第78条
2022年から、新聞・雑誌・広告のプラスチック包装の禁止。
第79条
2025年から、海洋プラスチック問題の解決策として、新品の洗濯機にはマイクロファイバー用のフィルターの備え付けを義務付ける。

身近な内容だけど、すごいことが書いてある

循環経済サーキュラーエコノミー」などというと、ずいぶんと難しいことが書いてあるのかと思われた人もいらっしゃると思います。ご覧の通り、条文そのものは私たちの暮らしに身近な内容が書かれています。しかも法律名に「廃棄物との闘い」との文言が付けられているなど、とても身近な感じがします。
しかし、その一つ一つの内容を見ると、すごいことが書かれています。第5条の「プラスチック100%リサイクル」の達成目標年は2025年ですから、あと2年半です。
第7条の目標年は18年後の2040年。この時を過ぎれば、プラスチック製のシングルユース容器や包装は使っちゃいけないと書いてあるのです(一部、法の執行を延期した品目もあります*4)。

Pack・back運動を国が公認?

第72条はわかりにくいかもしれませんので説明します。レジを通った後(購入後)、購入者(消費者)が「持ち帰りたくない」と思った容器または包装を、店内ではずし、捨てていくための回収箱を店側が用意しなければならないとしています。しかも、ごみ箱ではなく「分別回収箱」です。かつてあったPack・back運動を国が公認したようなものです。店側がそのようなことをされたくなければ、できるだけ売り場の包装を減らす努力をしなければなりません。
画:ハイムーン工房よりhttps://highmoonkobo.net

野菜・果物のプラスチック包装禁止!

小売店の使い捨てプラ等を減らす取組が第77条に列挙されています。その中に、2022年からの禁止対象として「小売店での1.5キログラム未満の未加工の野菜・果物のプラスチック包装」があります。この処置は今年1月に施行されました。施行に際して、フランス・エネルギー移行省の大臣は、「現在フランスでは37%の野菜・果物が包装して販売されていると推測される。今回の処置で毎年10億個以上のプラスチック包装が削減できる」と談話しました*5

日本はどうなの?

日本ではどうでしょうか。今年(2022年)4月にプラスチック資源循環促進法が施行されましたが、削減対象となったのは私たちの暮らしで使うプラスチックのごく一部です。また、上記の野菜・果物のプラ包装を例にすると、フランスと逆で、無包装での販売(はだか売り)の方がずっと少ないのはないでしょうか。
実際に店頭で調べた結果を次々回の「京都でスーパーの青果物の包装を調べてみた(簡易調査)」で報告していますので、そちらも見てください。

 

*1  JETRO(日本貿易振興機構)「循環経済法が2月に施行、循環経済型社会へ大きな一歩(フランス)」配信日2020年6月4日
https://www.jetro.go.jp/biz/areareports/special/2020/0601/d20d98ef8e3131f1.html(確認2022年6月16日)

*2 フランス政府公報https://www.legifrance.gouv.fr/loda/id/JORFTEXT000041553759/(確認2022年6月16日)

*3 閣議決定の日については、JETRO「生産者による回収・リサイクル責任を強化する循環経済法案を閣議決定」より 配信日2019年7月14日https://www.jetro.go.jp/biznews/2019/07/b9538c17bf66d373.html(確認2022年6月15日)

*4 JETRO(日本貿易振興機構)「使い捨てプラスチック製品の使用禁止を一部延期(フランス)」配信日2019年4月26日https://www.jetro.go.jp/biznews/2019/04/3437f8828ab281ca.html?_previewDate_=null&_previewToken_=&revision=0&viewForce=1(確認2022年6月12日)

*5 JETRO(日本貿易振興機構)「2021年1月から小売で野菜・果物のプラスチック包装禁止(フランス)」配信日2021年10月20日https://www.jetro.go.jp/biznews/2021/10/8fb8d7bbd751ffa6.html(確認2022年6月12日)

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